医師・患者双方にメリットも課題は導入コスト

▼婦人科・上地秀昭医師
「婦人科の場合若い女性が手術を受けられる方が多い。従来機種の「xi」だと傷(手術痕)が4つ、5つだったのに対して、「ダビンチsp」だと傷は1つ。おへそに1つなので、患者さんからは非常に喜ばれています」

最新ロボによる手術痕。へそ近くの痕はほとんど傷あとには見えない


最新型の「ダビンチSP」では1つのアームに4つの器具が付いているため、腹部に開ける穴は1か所で済む。患者の体への負担が大幅に少なくなるというわけだ。

こうした患者メリットがあるロボット手術だが、ロボットの使用による診療報酬の加算はない。一方で1台3億円を超えるという導入費用、年間2千万円以上という維持費がネックとなり、なかなか普及は進まない現状があるという。

それでもロボットセンター長の呉屋医師は、手術支援ロボットの普及が医師確保にもつながればと期待を寄せている。

▼ロボットセンター長・副院長 呉屋真人医師
「医療業界においては外科医不足が問題になっています。ロボット手術に興味を持ってくれる若いドクターが外科を目指してくれる、ひとつのきっかけになってくれたら嬉しい」

患者と医師、双方の負担を減らす最新手術ロボが、医師確保という課題解決にもつながるなら一石三鳥だ。導入コストが下がり、多くの病院でロボットの恩恵にあずかれる日が待ち遠しい。(取材:槌谷拓馬)