長島愛生園の入所者も建設に参加「一緒に風呂に入ろう これ以上のものはない」

岡山県瀬戸内市にある国のハンセン病療養所・長島愛生園の入所者も約60年前、「交流(むすび)の家」建設のため奈良に駆け付けました。

(石田雅男さん)「コンクリートとか壁を練ってバケツに入れて階段を上ってというようなことでね、結構重労働でしたね。それをやりまして、声をかけてくれてね。学生さんたちがね。一緒に風呂に入ろうって。もうこれ以上のものはないですよ。だからむしろ、僕たちが社会の偏見差別に辛い思いをしているという気持を十分過ぎるほどある意味では感じとってくれて」

石田さんが今も暮らす長島愛生園の入所者は3月25日現在、72人。高齢化が進み、交流を重ねる時間は、もうあまり残されていません。

加藤さんは、長島愛生園が「交流(むすび)の家」のような場になることを願っています。

(加藤登紀子さん)
「たとえば交流の家のような意味で、人権学習。あらゆるマイノリティの人たちの苦しみをそこで同じレベルで語っていけるような、そういう場所にしたらいいんじゃないかしらね」

加藤さんは、長島愛生園がハンセン病の隔離の歴史とともに、あらゆるタブーも話し合える場であってほしいと話します。

「世界中にまだハンセン病はあり、日本では終わったかもしれないけど、まだ続いている。そういう状況も伝えてほしいし同時に今放射線の恐怖というのはあまり言われていないですけど福島で故郷をなくした人もいるわけですから、広島でいろんな意味で不安に思っている人たちもいる。タブーにされていることがいっぱいあるんですよね。ここではタブーがない。なんでも言える。そういう交流の場を作ってくださったらいいですね」