「私立」も視野に入れる受験生が増える可能性があると話すのは、沖縄受験ゼミナールの遠山基樹さん。ただ、県内の私立校は中高一貫教育に力を入れているため、状況は大きくは変わらないと予測する。

▼沖縄受験ゼミナール 遠山基樹執行役員
「内地の私学であれば、高校から受け入れをしている私立高校はたくさんあり、公立と差別化、特色を出しています」「沖縄は選択肢が少ないですし、中高一貫(が主)になっていますので、なかなか(高校から私立に入る)メリットが薄いかなと思います」

「(私立の)中学校3年間は有償、あくまでも高校3年間が無償化なので、その3年間に耐えられる所得があれば、そういった子たちは初めから(中学)受験をされてるんじゃないか」

県内では私立を選択する子どもは中高一貫教育のメリットを受けるため、中学受験時に私立を選択していることが多い。

すると今回の制度見直しで特に恩恵があるのは、私立中学の学費を出せる、比較的 “高額” な所得がある世帯。そうした世帯の子の高校進学時に無償化の恩恵がある、というケースが多くなりそうだ。

経済的な格差是正がイメージされる「高校授業料の無償化」は、県内では “ゆとりがある家庭” に入る支援金で新たな格差を生む可能性もはらんでいる。