病は克服したが、左足は不自由に

壮絶なリハビリを経て歩けるまでに回復した髙野だったが、手術をした左足のひざから下は、ほとんど動かすことができなくなった。右足と違い、筋肉もほぼついていない。

現在の髙野選手の左足

髙野:足を上下に動かすのが全然できないのと、下に踏ん張ることも全然できない。指先なんかもう本当に力が入らないっすね。

クライミングは本来、手足の全てを使って壁を登っていく。左足を使えない髙野は、力のほとんどを両腕に頼っている。左足は、体が流れるのを抑えているだけという。この独自のクライミングを可能にするため、人一倍トレーニングを重ね、上半身を鍛え上げてきた。