専門家「観光客とウサギの数に密接な関係」

小倉准教授は、大久野島のウサギについて研究する中で、島を訪れる観光客とウサギの数に密接な関係があることに注目しました。
竹原市によりますと、大久野島に年間に訪れる観光客は、SNSでウサギの島として知られ始めた2015年に約25万人となっています。その年を境に急激に増えてきて2017年には40万人以上に達しました。
その後、2020年以降コロナ過に入ると、観光客の数が減り、2020年に約28万人訪れていた観光客は、2021年に約15万人になっています。
2022年はさらに少なくなり、約13万人にまで観光客が減少していました。今は少しずつ観光客も戻りつつあり、2024年には約19万人となっていますが全盛期の半分以下となっています。
次に、ウサギの数です。環境省と大久野島ビジターセンターによりますと、2006年に約300匹のウサギが確認されています。
2013年には約750匹確認され、2018年には約900匹のウサギが確認されています。
コロナ過の2020年には約584匹、2023年には約500匹確認され、2018年から2023年の5年間で約400匹近くのウサギが減少したことになります。
観光客の人数の推移とウサギの数の推移から、観光客が約40万人以上いた2017年では、翌年の2018年にウサギが約900匹確認されています。
コロナ過で観光客が減少し、年間の観光客数が約13万人となった2022年、翌年には、ウサギの数が500匹となっています。このことから観光客の増加とともにウサギも増え、コロナ禍で観光客が減少するとウサギも減っていることがわかります。
小倉准教授は、エサを与える観光客の数がウサギの数に影響していると指摘します。
また、観光客が持ち込むえさが必須の状況であるなら、ウサギの健康面にもよくないといいます。
呉工業高等専門学校 小倉亜紗美准教授
「観光客は、土日や休みにたくさん来る。休日はたくさん餌があって、でも平日はあまりない。食べ物の量の増減が激しいので、あまり食べ物が得られない時期と食べ物が山ほどある時期がある。生き物にとったら、あまり良くない状況なのではないかと思います」