能登半島地震で本堂などが壊滅的な被害を受けた石川県輪島市門前町の寺で、公費解体がはじまるのを前に20日彼岸会の法要が営まれました。

輪島市門前町和田で500年以上続く専徳寺は2024年、元日の地震により本堂や渡り廊下などが全壊し、公費による解体が決まりました。

公費作業を前に本堂の横にある建物で彼岸会の法要が行われ、寺の門徒9人が参列しました。

地震で歪んでしまった鐘の音が境内に響くなか、参列した人たちは先祖への感謝と寺の復興を祈りました。

豪雨にも見舞われ、納骨堂などは今も建物の下敷きになったままですが、それでも吉岡聡住職は、前に進む一歩だと話します。

専徳寺・吉岡聡住職「本当に寂しい気持ちはありますけれど、これからの後世に向けてはどういうことが寺に求められているのか、寺はどうあるべきなのかと考えたときに一つのチャンスをいただいたのかな」

倒れた本堂の前に咲く早咲きの桜。季節の移ろいは、地域住民の心の拠り所だった寺の再建に向けて、吉岡住職の気持ちをより強いものにしています。