事件を受けた動き~独居老人への支援制度~被害者へのサポート

事件から約3か月後。2024年1月から、静岡県司法書士会の犯罪被害者支援委員会は、「司法書士直通 被害者もあんしんダイヤル」(毎週火曜、木曜日 14時~17時まで/祝日・年末年始を除く)を開設した。

事件直後に現地入りもした榛葉隆雄委員長は「専門領域の垣根を超えたチーム支援体制」を構築し、突然。被害者になった人たちの安心に貢献したいと語った。

一方で、独居高齢者に対する支援制度のアップデートは確認できなかった。

10月23日、裁判の結末。
この日、静岡地裁浜松支部の担当者が、記者に「10月18日付けで本件の公訴棄却(=裁判の打ち切り)を決めた」と明らかにした。

男は亡くなっていた。

「この火事で、亡くなった人はいなくて。『命があって良かったね』って、励まされるんです。私はね、『メラメラ燃えている自分の家の中に、飛び込めば良かったかな』って、思う日もあるんです」

法による裁きもなくなり、宙ぶらりんになった被害住民たち。

事件から、季節が一巡した。小さな山あいで、被害者となった住民たちの生活は続いている。放火が起きたストレスで、いまも体調を崩している住民も多い。