「近未来型特急電車」最高時速500kmの改良型リニア中央新幹線に乗ってきた。

様々な難題から2027年の開業目標が危機的な状況になっている「リニア中央新幹線」。だがJR東海によると、車両開発はすでに最終段階で、「長年の技術開発の成果によって、車内環境は新幹線以上のレベルにある」という。試乗会に参加することになった私は、その“車内環境”を確かめるため、簡単な実験をすることにした。時速500kmのスピード走行中でも、コップになみなみ注いだ水が“こぼれることがないか?”という単純なものだ。

そもそもこの試乗会はJR東海が「超電導リニア時速500kmの浮上走行」の乗り心地を体感してもらうための報道向けイベントで、2020年の8月に投入された改良型試験車に乗ることができる。

試乗会の区間は山梨県上野原市から笛吹市までの42.8km。この間を往復し、およそ30分間で2回最高速度500kmを体感できる。乗降口は、山梨県都留市のリニア実験センター内にある。飛行機の搭乗のように室内から直結した形で乗車する。その乗降口に向かう途中、窓越しに今回乗車する「L0系改良型試験車」が見えた。


従来の新幹線と比べると鼻が長く車体はシャープだ。左右に切り込みのような凹凸があり、先端部は丸みを帯びている。JR東海によると、車体表面のなめらかさや車体構造、車両サスペンション改良など長年の技術開発によって、消費電力や車外の騒音を低減させ、振動も抑えられているという。

■改良型試験車の座席にはUSBも

飛行機の搭乗ゲートのような乗降口をくぐりぬけるとすぐに白でライティングされた車内に入る。車内は両側2列の4列シートで空間も白を基調としている。シートはグレーとブルーのデザインで幅がある。ひじ掛けにはUSBの差し込み口も付いている。通路は一人が歩ける程度の幅なので、電車に乗るというよりは飛行機に乗るような感覚だ。車内の前方と後方の壁にはモニターが設置されていて、先頭車両についたカメラの映像が映し出される。また映像の上部に速度メーターがあり、リアルタイムで速度がわかるようになっている。