同じがん患者としての経験も交えて診察「患者さんから勇気をもらえる」

 患者の多くは剛さんと同じがん患者です。抗がん剤の副作用がひどく、治療をやめるべきか迷う人もいます。剛さんはじっくりと耳を傾け、がん患者としての経験も交えてアドバイスをします。

 【2021年のやりとり】
  (患者)「急に下痢が始まってひどい状態で、かなり衰弱してしまって。(別の医師に)『どうすることもできないね』という感じで、『薬やめましょう』と言われたんですよ。がんに負けるみたいな感じがして、すごく不甲斐ないなと思って…」
 (剛さん)「副作用を跳ね返せるだけの体力をまだお持ちやと思いますので、『よっしゃもう1回やってみようかな』と思えるくらい体調が良くなってきたらリトライしてみてもいいと思います。自信を持ってもらっていいと思います」

 そして、診察の最後にはいつも笑顔で患者を送り出します。
 (患者 2021年)
 「やっぱり共有できるというのかな、同じ悩みを。先生にご相談して『僕だったらこういうふうにしますよ』と言われて。『ああそうかな』と思ってすごく参考になります」
 患者と向き合う時間は、剛さんにとっても大切なひと時でした。

 (関本剛さん 2021年)
 「患者さんからどちらかというと勇気をもらえる状況が続いていると思うんですね。しんどい中でも(診察に)行くと、皆さんすごく喜んでくれたりするので。自分の身に今後起こることだと思って一生懸命、症状の緩和に努める」