活火山の浅間山。マグマを伴ったものも含めて、何度も噴火を繰り返してきました。ひとたび噴火すれば、火山灰が街を襲い、住民の生活にも大きな影響を及ぼす可能性があります。

東日本大震災の教訓の一つは、「想定外」をつくらず、最悪の事態に備えること。

特に冬場の雪が積もっている時に大きな被害が想定されるのが、「融雪型火山泥流」です。噴火による火砕流で雪がとけて土砂や火山灰と一緒に流れ、人が住むエリアにも到達します。

授業で調べたところ、地元の避難所も火山泥流に巻き込まれる可能性があること、一方で、住民の認知度が低いことなども分かりました。

2年間の学習の集大成となった先月28日の避難所体験。
最初に行なったのは、避難所を運営する側の視点に立って課題などを確かめるゲームです。

いろいろな人が集まる空間では、年齢や性別、国籍、障がいの有無など設営にも配慮が必要になります。

児童:「意外と体育館の中って狭いんだなと分かりました。100人くらい入ると全然収まらなくて」

子どもたちは非常食などを入れた「防災バッグ」を実際に持参。

児童:「お湯だけで食べられるものとか意識して入れました」

さらに自分たちの寝床も作り、その効果を確かめました。
避難所は電気と水道は使えず、ガスは使えるという想定。
暗闇でとる食事、仲間の作業をライトで照らし、お互いに協力します。

子どもたちは実際の体験を通じて、「うまくいったこと」「困ったこと」を共有し、万が一の時にどうすればいいのか、何をどう備えればいいのかを学びました。

児童:「家に帰ったらお父さんお母さんに教えたり、ほかの学年の人にも教えたかった」

中村文洋教諭:「今年は浅間山のことについて調べる時間が多かったんですけど、最後は避難所で泊まってみたいっていう声もあって、じゃあ今まで学んだ知識とかぜんぶ生かしてやってみようかっていう話になって。私も知らなかったんですけど、地元の方も(浅間山について)知らない方が多いというのが子どもたちのアンケートの結果分かったので、少しでも知ってもらって、みんなの大事な人が無事に災害を乗り越えてもらえたらうれしいなと思っています」