東日本大震災から11日で14年です。

身近な災害とどう向き合い、どう備えていけばいいのか。次の世代を担う子どもたちに災害の教訓を伝える取り組みが長野県内でも続いています。

先月28日。軽井沢西部小学校の6年生が、災害時の避難所の仕組みや生活を体験して学ぶ授業に臨みました。実際に道具を持参しての寝泊まりも…。

担任の中村文洋(なかむら・ふみひろ)教諭は、子どもたちの防災教育に力を入れてきました。

2011年3月11日に東北地方で最大震度7を記録した東日本大震災。津波、そして原発事故で大きな被害を受けました。

中村教諭は学生時代から現地へ何度も通い、ボランティア活動などをしてきました。

そこで出会ったのが、一時、福島県大熊町から白馬村に避難していた木村紀夫(きむら・のりお)さんです。

木村さんは父親と妻、そして当時小学生の次女を津波で亡くしました。
さらに原発事故により、捜索活動も中断を余儀なくされました。
現在は震災の教訓を伝える活動を続けています。

木村紀夫さん:「復興していくのは大事なことだとは思うんですけど、それだけじゃなくて自分たちが経験した犠牲みたいなものをちゃんと教訓として残していく、そういうのも大事に考えてほしいなと思う」

被災地へ足を運ぶ中村教諭自身も、震災が起きた当時は高校生。
いまの小学生にどう教訓を伝えていくのか、試行錯誤を続けています。

中村文洋教諭:「災害の時の状況をもう知らない子どもたちになっているので、その時、被災された方、長野の人もそうですけど、どんな気持ちだったのかを考えていくところから、(それを)伝えるところから始めていくのが難しい」

軽井沢西部小学校では昨年度、5年生の担任になり、福島での経験も授業で伝えてきました。

今年度は、より身近な危険について考えようと、6年生になった子どもたちと浅間山の防災について学んできました。