「二度と起こしてはあかん、辛いです、許してください」

30年以上にわたる介護生活で、体力の悪化とともに徐々に追い詰められていった督永被告。周りに相談できず犯行に及んだが、督永被告に差し伸べられた手を取ることはできたのだろうか。
(裁判官)「とてもとても大事なことだと思うんですけど…その時(犯行時)は、もう一回日を改めて考えようとか、もう一度被害者の方のご意向を確認しようとは思えなかったんでしょうか?」
(督永被告)「その時は身も心もバラバラになって、何も分からなかった。これしかもう自分の考えがでてこなかった…。でも、後でやっぱりこれは、間違っている、なんで家族に相談して、こういう行為をやめるように相談できなかったんやろう…反省で、辛いです」
督永被告は、肩を震わせながら絞り出すような声で、剛志さんや家族への謝罪を繰り返した。
(督永被告)「30年間一生懸命、元に戻ることを信じてやってきたのに、それを自分が自分の手で息子に手をかけてしまったことは申し訳ない。家族にも迷惑をかけてしまって、妻も病気をしているのに…こんなこと二度としたらあかん…。剛の分まで生きて償いをしたい…剛志に対しても償いをさせてもらいたい、こんなことを二度と起こしてはあかん。後悔で毎日寝られへんこともある…辛いです…。許してください」