■《裁判長の問いかけに涙をこらえながら答える》

裁判長から「判決内容は分かりましたか?」と聞かれると、被告は涙をこらえながら、こう一言、答えました。

女の被告(20):「はい」

涙をこらえながら裁判長からの問いかけに答えた被告(20)

裁判長をまっすぐに見つめ、判決を聞いていた被告(20)。

裁判は15分ほどで閉廷し、最後は両手で涙をぬぐい、被告は法廷を後にしました。

■《遺族がコメント発表「17歳の娘が失った一生を考えると…」》

裁判後、遺族は次のコメントを発表しました。(全文)

・【判決について】
検察官の懲役25年という求刑も、裁判所の懲役23年という判決も、法律の範囲内で私たち被害者遺族の気持ちを汲んでくれたということは理解しているものの、17歳の娘が失った一生を考えると、23年でも軽いという思いです。

・【被告人について】
今でも被告人を許すことはできませんが、娘が川に落ちるまでの被告人の供述は、自らの保身だけでなく、本当のことを言っているように感じ、そのことによって、娘の最後を知ることができました。

被告人には、自ら行ったことに真摯に向き合い、反省してもらいたいです。

・【最後に…】
捜査に協力してくださった方々、神居古潭にお花、飲料、文具などをお供えしてくださった方々、これを管理してくださった方、そして娘のために手を合わせてくださった全ての皆様の優しい御心に、親族一同、厚く御礼を申し上げます。(以上)

■《裁判員が会見「若さは考えなかった」~『特定少年』への“判断”》

判決を終えた裁判員が記者会見し、『特定少年』裁判としての判断の難しさを振り返りました。

・裁判員を務めた男性
「今までに例のない事件だと感じた。元々インターネットなどで情報は持っていたが、法廷で証言などを聞いて、被害者が残酷な目にあって亡くなった、大変な事件だと感じた」

「裁判が終わって判決までいたが、今でも非常に心の中に重くのしかかっている」

「(被告の)年齢は若かったが、今回の犯罪の重大さに関して言えば、若さは考えなかった」

別の裁判員たちからは、裁判全体を通じて「辛かったことに尽きる。あまりにショッキングで現実社会で起きたものと思えない…辛かった」との声もあり、また『特定少年』への量刑を考えるうえで、葛藤があったと話しました。

「反省とか、どう思っているかはわからないが、公平・中立というのが難しかった」

「どういう気持ち、どういう心情か、表情や立ち姿から汲み取れるものは汲み取ろうと思った」

「19歳の犯行だが、犯した罪を考えると成人と同じ扱いで裁くというか、罪に対しての評価が大事。一方、自分が19歳だったころを考えると、大人としての未熟さはあった。最終的な判断は難しかった」

■《弁護人によると、被告側は控訴しない方針》

弁護人によりますと、被告本人の意思も確認し、また法廷で被告自身が「どんな刑でも受け入れます」と伝えていたように、控訴することは一切考えていないということです。