百条委員会の報告書「説明責任を果たしている」
―――“伝家の宝刀”とも言われる百条委員会は強力な調査権を持っていて、虚偽の陳述などをした場合、罰則があります。一方で、対象者を直接罰することはできず、「力は本当にあるのか?」、「結果が出ても何も変わらないのでは?」という疑念があります。
白鳥教授「百条委員会の結論には法的拘束力がないので、何かが認定されたからといってすぐに何らかの罰則があるということではない。警察でもないので、調査にも一定の限界というのがあることは確かです」
百条委員会について今回『2つの疑念』が出ています。まず1つ目は、調査を終えずに全会一致で斎藤知事の不信任案を可決したことを正当化しているのでは?という点です。
斎藤知事への不信任の決議をした人たちが百条委員会の委員を務めていて、結論ありきではないかという指摘もあります。
これに関して白鳥教授は「客観的な根拠が示されている」、「一定の信頼性があり説明責任を果たしている」と評価していて、「調査報告書を読めばきちんとやっている」と述べています。
そして亀井弁護士は「証拠が出ていて、専門家の知見も出ているから、それによってこの結論が出るだろうと。結論ありきじゃないし、選挙やいろんなトラブルがあって、委員自体も攻撃を受けていました。その中で『ため』にする結論は無理であって、できるだけ冷静・合理的に判断するのが、委員自分らの身の安全を考えるという意味においてもそういう方向に向いたと思う。報告書は冷静に書かれていると思う」と述べています。
そしてもう1つの疑念。百条委のメンバーが“情報提供”をしていた点です。副委員長だった岸口実県議は「黒幕文書」の提供に関与し、増山誠県議は「非公開音声データ」を提供していました。この点に関して白鳥教授は「今回の結論の前に委員を辞められているということで、それほど大きな影響はなかったのだろう」との見解を示しました。