先月末のアメリカとウクライナの首脳会議は、テレビカメラの前で口論という前代未聞の形で決裂した。これを受けてイギリス・フランスを中心としたヨーロッパはすぐさまより一層のウクライナ支援を表明している。
専門家も驚いたり、あきれたり…予想外の展開の中、ロシアだけは笑いが止まらないようだ。メドベージェフ前大統領は「トランプ大統領は正しい」と言い切った。

「どの武器の供給がどの鉱物資源によって提供されるのか…」

番組では“世紀のもの別れ”会談の直後、ゼレンスキー大統領の側近にインタビューした。彼はこの会談で本当は決まるはずだった『鉱物資源協定』の内容の一端を明らかにしてくれた。そこではウクライナの鉱物資源の種類と量がアメリカのどの武器の数と納入時期に見合うのかがわかる“計算式”が取り決められることにいなっていたという。

ポドリャク大統領府長官顧問
「もう少し冷静になるべきだと思います。もう3年も戦争が続き感情的になっているだけだからです。(協議される鉱物資源協定では)アメリカが供給する武器の数や種類、時期などは、どの鉱物に投資したのかの結果として計算式を記述するはずだった。私たちは武器をどのようにどのくらいの数量、いつ受け取るか、その保証はどのように提供されるのか納得する必要がある。そしてこうした武器の供給がどの鉱物資源から提供されるのかについてもが明確であるべきだ。これはウクライナとアメリカにとって有益な商業的補償契約だから…」

しかし鉱物資源協定、そもそもアメリカとウクライナでは思惑が違ったというのは国際政治学者の東野教授だ。

筑波大学 東野篤子 教授
「(協定の目的は)ウクライナからするとロシアが再侵攻してこない(ためのアメリカによる保証が欲しかった)こと…。アメリカからするとこれまで武器をタダであげていたけれどこれからはグラム単位で資源を計算してそれに見合った武器を提供するという…。武器の提供では安全の保証にならないというのがウクライナ…。アメリカはそれをすり替えてこれからどうやって武器をあげるかの話に…。でもそれだけズレがあっても合意した方がよかった…。枠組み合意だから、これから詳細は話し合えば…」

その枠組みさえ合意できなかったアメリカとウクライナ。ヨーロッパでは有志連合を作りウクライナと共に停戦計画を練り、アメリカに提案するというが、トランプ大統領は3日ウクライナへの武器供給を一時止める大統領令に署名した。