科学調査で迫る“未知の空間” 不自然な「ヒビ」と「カビ」

そのリーブス氏が、2014年、偶然目にしたのが、ツタンカーメンの墓を3Dスキャンしたデータ。色を抜いた状態で北側の壁の凹凸を分かりやすくすると…

エジプト考古学者 ニコラス・リーヴス氏
「ここを見てください。壁には凹凸やひび割れがつきものだが、なぜか完全な直線がある。直線はここにも」

リーブス氏は、このヒビ(直線)の存在をきっかけに北側の壁は、奥に続く空間を隠すためにつくられたものだと考え始めた。

すると、その考えを裏付けるものが次々と見つかった。

エジプト考古学者 ニコラス・リーヴス氏
「興味深いのはカビの生え具合。人工の壁だと考えている方がカビが多い」

リーブス氏が注目した、不自然なヒビを境に、向かって右側は、左側よりもカビが多く見える。

リーブス氏は壁の奥の空間の湿気で、カビが増殖したのではないかと推測している。

さらに…

エジプト考古学者 ニコラス・リーヴス氏
「ひとつの特徴がこれです。天井に直線が見えますか。まっすぐ北の壁画に向かっている」

天井に残る筋。北側の壁に向かってまっすぐ伸ばすと、さきほどのヒビの位置とつながる。天井の筋と壁のヒビを結ぶ線は、ここがかつて通路だったことを示唆する。