2021年7月、静岡県熱海市を襲った土石流災害。土砂崩落の起点に残ったままの盛り土を撤去するため、静岡県による行政代執行が10月11日に始まりました。土砂撤去などにかかる費用は、最終的に15億円ほどに膨らむ可能性もあります。
<静岡県 難波喬司理事>
「ただ今から行政代執行法第二条の規定に基づき、行政代執行を開始します」
11日午前10時20分、静岡県の宣言によって行政代執行が始まりました。行政代執行の目的は、2021年7月、熱海市で発生した土石流の起点となった盛り土の撤去です。
<瀬崎一耀キャスター>
「1年3か月前、ここから大きな災害が起こりました。木々の中にある盛り土の不自然な姿は変わらず残っています」
現場には今も崩れずに残った不安定な盛り土が約2万立方メートルあります。県は盛り土を造成したとして、前の土地所有者である不動産会社「新幹線ビルディング」に土砂の撤去を求める措置命令を出していましたが、不動産会社の代表はこれを拒否。県は11日、代執行に踏み切り、手始めに草の伐採などが行われました。今後、土地の測量などを行い、12月頃から土砂の撤去を始める予定です。
<静岡県 難波喬司理事>
「株式会社新幹線ビルディングに撤去していただきたかったが、撤去していただけないことが明確になってきたので、やむを得ず行政代執行するということになりました」
<静岡県 川勝平太知事>
「けしからんことだと思います。あれだけの大きな災害を起こしたわけですからね。そしてまだ、2万立方メートルという何が起こるか分からない盛り土が残っているわけですから。これは早く除去しないと下流に住む人は安心して生活できない」
県は行政代執行を2023年5月末までに終えたいとしています。
注目の記事
強度行動障害のある28歳息子と初めて離れて暮らす決断 「自分たちが世話が出来なくなる前に」両親はパニックに対応できる施設を6年間探す...届いた「受け入れ可能」のメール

「保険が不正使用されている」記者に詐欺電話 “だまされたふり”続けるとオンラインで事情聴取 警察官姿の犯人が… 詐欺手口の全貌は

爆買いした戦闘機、その後どうなった? 膨張する“防衛費”国民生活への影響は【報道特集】

思春期中学生の10人に1人 朝起きられないのは「怠け」ではない~中高生に増える起立性調節障害~「当事者親子の声」

「骨が折れやすい難病」9歳の少年 YouTubeで出会った“憧れの先輩” 骨が折れても――始まった挑戦と、亡き母の思い

生徒4人に1人がサッカー部 全国大会常連校で起きた〝裸で土下座〟 『いじり』が遠因ないし原因 発生リスクの高い集団とは 調査報告書がまとまる 熊本









