『レカネマブ』の投薬治療を開始 89歳の母親が通院に同行
少しずつ表れる症状。ふさぎ込む美香さんに一筋の光が差したのは2023年のことでした。アルツハイマー病の治療薬『レカネマブ』が世界で初めて承認されたのです。レカネマブは、病気の原因物質を脳内から取り除くことで、症状の進行を遅らせる効果があります。
(大阪公立大学・医学部附属病院 武田景敏医師)「完全にとめることができなくても、大きくゆっくりすることができて、より早期に気づいて治療することで、自分らしく生きる期間を延ばすことができるというのが、やはり大きな意味なのかなと」
美香さんは去年1月にレカネマブの投薬治療を始めました。通院に同行するのは、離れて暮らす母親の幸子さん(89)です。
レカネマブは2週間に1回の点滴投与を1年半にわたって続けなければいけません。負担する費用は約100万円と決して安くはありませんが、「今の状態が保てるなら」と家族で支払っています。
(母・幸子さん)「(発症が)まだ50代というのは、あまりにも早すぎるので。本人もまだまだやりたいことがあるだろうと思って」
「できるところまでひとり暮らしを続けたい」という美香さん。去年の夏ごろからはヘルパーの坂本智子さんが週に3回、生活の補助に入っています。買い物のサポートや自宅の片づけをしてもらうことで、美香さんは安定した生活を送れるようになってきました。
(関田美香さん)「坂本さんでよかった~って」
(坂本智子さん)「そう言っていただけて、こちらが感謝いたします」