なんとなく思いついたアイデアから本格的な研究へ

この物質の研究開発をしているのは、3年生の木村遙さんと加藤菜々美さん。木村さんが1年生のときから研究を始め、物質を作り出すための実験を行っていた2年生の途中から加藤さんも加わった。

木村遥さん(左)と加藤奈々美さん

開発のきっかけは、別々の先生から聞いたことを元に浮かんだ、木村さんのアイデアだった。

「光触媒について学ぶ授業を聞いて、光触媒には水を浄化する能力があるものの、実用化には大がかりな装置なども必要で難航していることを知りました。この授業とは別に、磁性材料の研究をしている先生から、福井高専が実施しているマグネットコンテストに応募しないかと誘っていただきました。そのときに、光触媒材料に磁石の力があれば、汚水を浄化したあとにすぐに回収できるかもしれないと、なんとなく思いついたことが始まりでした」

思いついたことをマグネットコンテストで提案すると、木村さんは優秀賞を受賞。そこで、磁性材料を研究する平澤英之准教授の指導を受けながら、放課後や長期の休みなどを使って個人的に研究を始めた。

指導する平澤英之准教授