観光業復活の起爆剤となるのでしょうか。10月11日から国の観光需要喚起策「全国旅行支援」が始まります。旅行代金が1人1泊あたり最大で1万1千円が補助されるとあって、予約が急増しています。ただ「GoToトラベル」の時と違い、今回は自治体によってルールが異なるため、旅行会社や宿泊施設からは困惑の声も挙がっています。

■11日から「全国旅行支援」スタート 観光地から期待の声

10月11日から、「全国旅行支援」がスタート。これまで自治体ごとに行われてきた「県民割」に代わって、全国を対象にした国の新たな観光需要の喚起策です。

神奈川県のホテルマホロバマインズ三浦には、コンセプトルームと呼ばれる部屋がいくつもあり、鉄道ファンの家族向けの部屋ではプラレールを自由に組み立てて遊べるようになっています。


「全国旅行支援」では、公共交通機関を使う旅行商品の場合、1人1泊あたり8000円、宿泊のみなら5000円を上限に代金の40%が割引されます。

こちらのホテルでは鉄道の部屋を含め、平日1泊2食付きで1人1万6500円ですが、全国旅行支援割を使えば、1人1万1500円で宿泊出来ます。

また、旅行先での買い物や外食で使えるクーポンが平日は3000円分休日は1000円分提供され、最大で1万1000円の補助が受けられます。

ホテルマホロバ・マインズ三浦 担当者
「やはりコロナで3年間厳しい思いをしておりますので、今日までは県民割でしたが、全国からお越しいただけるので、非常に有り難いと思って期待しております」

■自治体でルールが異なる 旅行会社から困惑の声も

利用する側の期待値も高まっているようです。

旅行客
「上の子が特に電車が好きなので、なかなか今まで旅行に行くことも控えていたので、全国のSLに乗りたいな」

旅行客
「行きたいところはたくさんありますけど、実際は関東近郊になるかなと。時期的にあまりお休みが取れないので」

旅行代理店も準備に追われていました。

摂陽観光 社長
「お問い合わせ、ご来店のお客様は倍以上になりましたから、かなり期待が持てるかなと思っています」

期待の声が漏れる一方で混乱も…

摂陽観光 社長
「これでもごく一部ですよ。全国の旅行会社はえらいことなっている」

社長が見せてくれたのは制度のマニュアルです。各都道府県でマニュアルはバラバラで、旅行代理店が47都道府県すべてにそれぞれ申請しなくてはなりません。

摂陽観光 社長
「ほんとに喉から手に出るほど欲しかった制度なんですけど、あまりにも複雑かつ急だったので、全国の旅行会社さんは本当に戸惑ってこの制度の習熟に時間を取っていると思う」