東京大学の変化、狙いは? 大学の選び方に変化も

齋藤キャスター:
25日に2次試験の前期日程が始まった東京大学は、2025年から授業料を値上げします。

学士課程などの授業料は現在53万5800円ですが、2025年4月からは約10万7000円値上げし、64万2960円になります。教育研究環境の充実や教育人材の拡充などが理由として挙げられるということです。

ホラン千秋キャスター:
東京大学の変化には、どのような狙いがあるのでしょうか。

教育アドバイザー 清水章弘さん:
個人的には東大の人気が落ちているということはないと思います。

2次試験には記述試験もあるので、より丁寧に採点するため、1次選抜の合格者数を減らしたいという意図があるのではないでしょうか。

また、東大の試験に関わった教授に取材した際には「試験の採点にかかる教員の負担がすごく大きい」ということだったので、そういうことも背景にあるのではないかと思います。

南波雅俊キャスター:
東大を目指す学生なども含めて指導しているかと思いますが、昔と変わったと感じる点はありますか。

教育アドバイザー 清水さん:
大学の選び方が変わってきていると思います。

全国の高校の進路指導を担当する先生に話を聞いてもそうですが、これまでの「偏差値の高い大学に浪人してでも入る」という雰囲気から現役志向になってきていたり、偏差値だけではない選び方が増えてきたりしている印象です。

意志を持って「大学に入って何をするか」というところから逆算して、志望校を選んでいる印象があります。

ホランキャスター:
漠然と「やりたいことは決まっていないけど、有名な大学に行きたい」という学生も多かったように思いますが、変わってきてるそうですね。

元競泳日本代表 松田丈志さん:
最近、日本の水泳界では日本の高校からアメリカの大学に直接行くという選手が増えていて、その中でアメリカの大学事情を調べることがあります。

(日本の)大学入試は、それまでにやってきた勉強の実績などをみますが、アメリカなどは、これから何をしたいか、将来的にどうなりたいかという未来について、試験を通して聞くということです。

単純にその方が「未来志向でいいな」と思いましたし、日本も“行き先”を決めて選ぶという意味では少し変化してきてるのかなと思いました。