カルチャープレナーを支える「第3のジャポニズム」とは
野村:再解釈の方法や世界へ伝える方法に、佐宗さんが共通して感じられている部分はありますか?
佐宗:まずお伝えしたいのは、海外で日本文化が非常に高く評価されている現状、いわゆる「第3のジャポニズム」と呼ばれる流れがあるということです。
第1のジャポニズムが鎖国の後に浮世絵などがヨーロッパに出て注目されたような時代です。第2のジャポニズムは、1980年代にトヨタやソニーをはじめとした日本の製品が世界を席巻した時代です。今の第3のジャポニズムとして典型的に表現されるものは、アニメ・ゲーム・マンガのACG(アニメ、漫画、ゲームなどのコンテンツの総称)と呼ばれるものが中心です。
この他にも、日本食など、日本の衣食住がとても注目されている流れが出てきていると感じます。
これらの共通するものはいくつかありますが、まず日本食はヘルシーということや、禅のような心の健康のようなものがあります。コロナ禍をきっかけに、欧米では人間の手仕事による精緻な技術や、原点回帰的な価値が見直されるようになりました。そういう価値観に合わせて、お茶は心の安心、大工であれば職人の手仕事の中で進むことの美意識や豊かさ。そのような感覚を価値として捉え、現代のニーズと結びつけることができている人が海外進出に成功していると考えられます。
野村:全世界的な課題にも通じるかもしれませんね。