2つ目の特徴は人間関係のトラブル・孤立から生じる「経済的な困窮」です。
生活保護を受けていたという矢口容疑者。
捜査関係者によりますと、過去には職を転々とし、中には勤め先から解雇されたこともあったということです。

事件のおよそ1年前から無職の状態が続いていて、自宅の電気や水道が止められるなど、困窮を深めていたとみられます。
過去の事件では、経済的な困窮から凶行に及んだケースもあります。
2021年、容疑者の男を含む27人が死亡した大阪市のクリニック放火事件や、同じ年に10人がけがをした小田急線刺傷事件。
大阪の事件では、男は自宅の電気やガスが止められるなど、生活に行き詰っていたとされ、小田急線で事件を起こした無職の男も、生活保護を受けながら万引きを繰り返していたとされています。
経済的な困窮は犯行の動機になり得るのでしょうか。

関西国際大学 中山誠教授:
「生活が困窮しているからと言って、無差別殺人をやったって、お金は得られない訳ですよ。だからそこは直接的な犯行動機とは結びつかない」
「最後の一線を越えるトリガーっていうんですけど、引き金になる、その線が生活の困窮ということが一つの原因となるかもしれない」