拡大の背景に“日本人はギャンブル好き”?

―――オンラインカジノ拡大の背景として、まず、自宅で過ごす時間が増えた「コロナ禍」があると。そして、「日本人はギャンブル好きで経済規模が大きい」→世界のオンラインカジノ業者が日本に進出、ということですが、日本人は比較的ギャンブルが好きな人が多いのでしょうか?
「経済規模から考えると、ギャンブル消費額でいうと世界トップクラスです。例えば、宝くじの市場規模とかも世界一ですね」
―――世界のオンラインカジノ業者は、中国でのマーケットを狙うも厳しい制限で断念したと?
「もともとオンラインカジノは欧米圏から始まるわけですが、欧米圏の市場が満たされたあと、2010年代ぐらいから非欧米圏に入ってきました。そのときに最初に“狙われた”のが中華圏でした。ところが、中国は習近平政権がものすごく厳しい規制をかけ始めたんです。そして次のマーケットを狙おうと見たときに、お隣にいい国があるじゃないかと日本に来た。その時期がコロナ禍と重なりました」
―――警察庁によりますと、オンラインカジノ客の摘発は2023年が53人でしたが、2024年は162人(暫定値)となりました。木曽さんによりますと、実態調査や対策強化など政治的要請、そして匿名・流動型犯罪グループ“トクリュウ”の摘発強化、そういったことが理由ではないかということですね?
「市場がどんどん大きくなってくるにつれて、例えば、山口県阿武町の誤送金問題では、振り込まれた人物がオンラインカジノでお金を全部使ってしまったと。そのようなケースが社会に出てきたことによって、政治側が調査・対策をしなければいけないという流れがきている。また、警察庁としては、“トクリュウ”と呼ばれるSNSなどで緩やかにつながっている犯罪グループの資金源や関与があるのではないかということで摘発を急いでいる」
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―――国によって規制が違うことで混乱もあるようですが、日本ではオンラインカジノによる賭博は違法です。しかしそれが周知できていないようにも思えますが、なぜでしょうか?
「そもそも国側の対策はむちゃくちゃ遅くて。実はオンラインカジノでの賭博が犯罪であるという認知普及は、2022年の末ぐらいに国として始めたので、まだ数年しか経っていないんです」














