そんな松本選手ですが、サッカーでは“光るモノ”があります。「見えなくなってから」の3年間で養ったこの“ボールさばき”です。

(高知ユナイテッドSC 秋田豊 監督)
「『本当に見えていないのかな?』というのはすごく感じますね。プレーしていて違和感もないですし、本当に“普通に”入って、何の問題もなくやっているので、そういうところはびっくりしましたね」

さらに、松本選手の最大の持ち味が長い時間を走れる「スタミナ」です。

(松本光平 選手)
「目をけがしてから『いつかパラリンピックの陸上競技にもチャレンジしたい』と思っていて、陸上競技のトレーニングを始めたら、今は目をけがをする前よりも体力が上がったので、年齢は35歳ですけど、若い頃より今の方が走れます」

長時間走れる“運動量”は、若手選手が多いクラブ内での1つのテーマでもあります。今のクラブにとって重要な“1ピース”となる存在の松本選手に、秋田監督も期待を寄せます。

(秋田豊 監督)
「同じ方々、もっと苦労されている方々、そういう方々にとっても、彼がプレーすることは、すごく勇気を与えると思うし、希望になると思うので、そういう存在であってほしいし、だからこそグラウンドに1分1秒でも長く立てるように頑張ってほしいと思います」

「Jリーガーになる」という夢を、“目が見えなくなってから”叶えた松本選手。決して諦めなかったその“姿”で、今シーズン、高知から、多くの人々に夢と希望を与え続けます。

(松本光平 選手)
「(Jリーガーは)子どものころからの目標の1つでしたし、目が見えている時に達成することができなくて、目が見えない状態になっても、『何年かかっても絶対に達成しよう』って思っていたので」

「『目が見えないからサッカーができない』と言われていたんですけど、見えなくても“Jリーグ”の舞台には立てるし、“プロの世界に立てる”という姿をしっかりと見せていきたいと思います」