指田さんは、震災15年の節目となる1年後の本の出版を目指して、かつて取材をした人からもう一度当時の話を聞きながら構成を組み立てています。
(指田和さん)
「前にも一度お聞きしているんですけど、いくつかすごく耳に残っている、心に残っている話があって、それをもうちょっとくわしく聞いておきたいなと」

指田さんはこれまで地域に密着した取材を信条に地域の人たちの何気ない一言を大事に絵本で紹介してきました。
そのスタイルは新しい本でも変わりません。

(智桜さんとの再会)
(佐々木智桜さん)
「お久しぶりです」
(指田和さん)
「すごく背が伸びたって聞いてたから、私より背が高くなったらどうしようって」
県内最年少の語り部として伝承活動に取り組む佐々木智桜さんを再び取材しました。

佐々木さんは震災発生から3年後の2014年の3月11日に生まれました。
現在は鵜住居小学校の5年生です。

(指田和さん)
「(語り部として)自分の中で工夫したりとか、変えたりしたこととか、気持ちが変わったこと何かありますか?」
(佐々木智桜さん)
「いつも伝えていくのは確かだし、それがパワーアップしたことで読むところも増えてはくるけど、大事なところを伝えられる」

佐々木さんの話を聞いた後は、2年前に鵜住居小学校の児童が振付を考えた「てんでんこダンス」を練習して一緒に踊ります。
子どもの目線に立って一緒にやってみる。
指田さんが取材をする際に大切にしていることの一つです。

(指田和さん)
「小学校や中学校、図書館などで釜石のお話してくださいということが結構出てきている。そういった場で今のダンスを皆さんと一緒に踊ることで、身近に災害のことを考えてもらうきっかけになればいいなと思って」