“過酷な労働状況や収入が見合わない”などで施設は人手不足に

 国が実施した医療的ケア児(者)の家族への調査(厚生労働省2020)によると、「ケアを依頼できる人がいない」と答えた人は約4割。課題として「対応可能な事業所が十分ではない」という回答が8割近くを占めました。受け入れ施設が十分ではないのはなぜなのでしょうか。
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 神戸市にある重度障がいの子どもなどを受け入れている施設「神戸医療福祉センターひだまり」を訪ねました。

 (河﨑洋子院長)「(本来は)2人部屋ですがこの部屋と隣の部屋は、いったん荷物を入れて全く使わない。(Q稼動の見込みもない?)職員の雇用が追いついていないので、当面は稼動できる見込みがないという状況です」

 短期入所用に6床のベッドがありますが、看護師や介護職員が足りず今は1床しか稼動できていません。その1床も子どもを世話する母親が急病で倒れた…などの緊急時に限って受け入れている状況です。

 短期入所用に6床のベッドがありますが、看護師や介護職員が足りず今は1床しか稼動できていません。その1床も子どもを世話する母親が急病で倒れた…などの緊急時に限って受け入れている状況です。

 (河﨑洋子院長)「かなり職員の確保が難しい状況で。ご家族からは、『ベッドがあるのにどうして受け入れないのか』とお叱りの声をいただくこともあります。つらいなというのが現状ですが、(今いる)職員もアップアップの状態になって、逆に離職につながっていくというところで、あまり無理はできない」

 過酷な労働状況や収入が見合わないなどの理由で、美容クリニックや他業種にすすむ看護師などが増えていて、人手が不足しているのです。