「ミニマリストしぶ」こと澁谷直人(29)。

6年前、会社を立ち上げ、片付けサービスやミニマリスト向けのアパレル開発などを手掛けている。

「ミニマリスト」とは、持ち物を最小限にし、無駄をそぎ落とす生活様式を送る人たちのこと。

自身がミニマリストであり、物を持たない暮らしをブログなどで発信中。

7年前に出版した自著が去年、中国語にも翻訳され、「しぶ流ミニマリスト生活」がアジア圏でも注目されている。

彼の生き方は、若者世代から終活を控える熟年層まで幅広く支持されている。

裕福な家庭から貧困への凋落、フリーターを経て到達した澁谷の「ミニマリスト思考」が人々を惹きつける理由とは。

部屋は真っ白な四角い小箱 「ミニマリストしぶ」の持たない暮らし

澁谷直人は福岡市中心部のワンルームに住まう。広さは約30平方メートル。

起業し取締役になった今もフリーター時代と変わらない広さだ。

部屋は真っ白な四角い小箱。白い壁、白い床、薄いグレーのソファベッドと丸椅子。

カーテンなし、カーペットなし、時計もテレビもない。物がないため部屋の中で音がやけに反響する。

そういえば冷蔵庫もない。「その日、食べる分しか買い物しない」ので不自由はないという。

洋服は全て黒。1年を通じて全10着。

洗濯してもシワになりにくく、手入れがしやすい、流行のシルエットを取り入れる等のポリシーがあり、「しぶらしさ」のお洒落が身についている。

靴は3足。冠婚葬祭のスーツも所有していない。「レンタルで十分だから」という。