去年、山口県山口市はアメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズに「世界で行くべき場所」の3番目に選ばれました。地元・山口大学は12日、この経済効果が約54億円だったと公表しました。

この集計は、山口大学で行われたシンポジウムで、山口大学経済学部の加藤真也准教授の研究グループが発表しました。
内訳は、国内の観光客が日帰り・宿泊あわせておよそ50億3000万円、外国人観光客が3億7000万円でした。
前回、去年5月に発表された事前の推計ではおよそ90億円で、推計の60%程度にとどまりました。瑠璃光寺五重塔が、改修工事で見られなかったことや、大型宿泊施設の閉館など、マイナス要素があったためとみています。

山口大学経済学部 加藤真也准教授
「山口市に来た観光客っていうのはニューヨーク・タイムズに選ばれたことを知った上で来たんだよと言う人も多かったので、PRの面が徐々に広がっていい影響がでているんじゃないかと思います」

シンポジウムでは、山口財務事務所や日本銀行、地元シンクタンクや旅館組合などをパネリストに招かれました。

「大内文化に市民が誇りを持つことが観光にとって重要」との声が山口市からあがったほか、ほかの観光地が旅行者であふれる中、素顔の日本が見られる地域として魅力が発信できたのではないかといった意見が出ました。
その上で、この1年で得たことを今後続けていくことが大切だと締めくくられました。