ボツリヌス食中毒 死につながる可能性も… すぐに医療機関へ

一時重症になった富山市の患者は、目の異常や呼吸困難などの症状を訴えました。そして、新潟市の女性も眼にチカチカ感や口渇感、嚥下困難感などを訴えたといいますが、どんな症状を引き起こすのでしょうか?

富山県衛生研究所 大石和徳所長
「物が二つに見えるとか、眼瞼が垂れ下がってくるとか、そういう神経症状。それ以外にも全身の弛緩性麻痺と言いますが、呼吸することができなくなるような状態に陥っていくので、大変怖い病気です」

ボツリヌス菌による食中毒が起きた場合、直ちに死につながる可能性があるとして、すぐに医療機関を受診するよう呼び掛けています。

どんなことに注意が必要?

原因となる食品の多くは保存食品や発酵食品で、国内では熊本県の郷土料理「辛子レンコン」や北海道の郷土料理の「いずし」などによる事例が報告されています。

また、原因となる食品を食べてから多くは18時間から48時間後に症状が現れるといいます。今回は、自宅で食べたものが原因とみられていますが、まだ食材の特定には至っていません。

富山県衛生研究所 大石和徳所長
「国内でもたまにしか発生しません。富山県内では初めてです。今回のように家庭内でも起こることが確認されたわけですので、非常に注意しなければいけないと思います」

では、どんなこと注意しなければいけないのでしょうか?

富山県衛生研究所 大石和徳所長
「食べ物を家庭でもしっかりと洗浄して、冷蔵保存して、速やかに食べるということは原則です。しかし、パックされたような密閉されたような食材であっても、必ず消費期限があるので、それ以上のものは食べない。あるいは、真空パック商品が膨張して変だと思うとき、変な臭いがあった時には、菌が増殖している可能性があるので、食べないようにした方がいいですね」