今年すでに症状を訴える人も出ている「花粉症」。日本気象協会によると、この春の中国地方の飛散傾向は、「例年より多い(170%)」「去年より非常に多い(430%)」予想です。スギのピークは3月上旬、ヒノキのピークは3月下旬~4月上旬。本格化する前にできる対策は何なのでしょうか。

RCCウェザーセンター 近藤志保 気象予報士
「今年の春は県内でも花粉が多い予想ですが、こちらの病院では1月の下旬から、すでに症状を訴える人が増えてきているということです」
広島市安佐南区のさくらい内科の櫻井穣司医師は、今年は「診察を始めるタイミングが早かった」と話します。

さくらい内科 櫻井穣司 医師
「去年は2月に入ってからだったんですが、先月20日の週には患者さんが来られて、今年はえらい早いなといいながら薬を出しています」
先月の22日から数日間、広島では花粉の飛散はほとんどありませんでしたが、PM2.5の観測値が環境基準レベルより高い値となっていました。櫻井医師は、PM2.5は症状を重くすると話します。
さくらい内科 櫻井穣司 医師
「PM2.5とか黄砂の影響で症状が強くなるっていわれています。似たような抗原がある花粉より小さいので、似たような反応を起こす場合に、より気管の奥まで入る。(Q.合わさると重くなる?)そういうデータもあります」
国立環境研究所の調査では、花粉症を悪化させるメカニズムを検証すると、粒子にPM2.5を多く含むディーゼル排気が「抗体を増やし炎症を引き起こしている」としています。また、花粉症の症状には、出やすい時間帯や気候があるそうです。

さくらい内科 櫻井穣司 医師
「1日の中ではやっぱり朝ですね。気温が上がったときに花粉が飛び始めるので午前中の早い時間。それから夕方になって空気が冷えてきたらまた落ち着いてくる。雨上がりは気をつけんといけんですね。雨が降ると花粉が下に落ちちゃうんです。そうすると溝などにたまったりする。その後、晴れると乾くんですよね」
櫻井医師は症状が重い人には早めに抗アレルギー薬を飲むことを勧めているそうです。
さくらい内科 櫻井穣司 医師
「毎年花粉症でひどい目に遭う人には、早めに内服を開始しましょうという話をしています。基本的にアレルギー薬っていうのは治す薬じゃなくて症状を抑える薬なので、出てから飲むよりは、出る前に飲んだ方が効きやすいっていうのはある」
そして、基本的なマスクでの予防も大切だと話します。
さくらい内科 櫻井穣司 医師
「去年とかおととしとかコロナがはやって花粉症が減ったんですよね。それはやっぱりみんなマスクをしていたからだと思っているんです。あれは不思議でしたからね僕ら。やっぱマスクってすごいなって話になりましたから」
ただ、正しい付け方をしないと効果が薄れます。
ポイント①マスクの真ん中を少し折る
ポイント②鼻を押さえながらあごの下まで引っ張ってしっかり覆う
ポイント③鼻の両サイドとほっぺたを押さえてすき間をなくす

今日も県内では、PM2.5の飛散量がやや多くなっていました。症状が出た人もいるかもしれません。早め早めの対策をするようにしてください。