「ある社会問題」がきっかけで誕生した高額療養費制度

 そもそも、どんな経緯で高額療養費制度は生まれたのでしょうか。

 1961年、日本の皆保険制度が始まった当初、国民健康保険は今と同じ3割負担でしたが、会社などで加入する健康保険なら、本人の窓口負担が不要でした。一方で、その妻や家族は5割負担。高額な医療費でも半額を負担しなければいけません。

 そのため、妻が腎臓病患者だったケースでは、年間医療費1000万円だった血液透析のため、離婚して妻が生活保護受給者になることで負担を減らすということもありました。

 こうしたことが社会問題になり、1973年に始まったのが高額療養費制度でした。当時は月3万円が上限でしたが、血液透析をめぐる社会問題から始まった制度のため、血液透析の患者は特例で月1万円でした。この特例は50年以上たった今も続いていて、血液透析・血友病・HIVなどの患者は上限が1万円となっています(年収770万円以上の場合は上限2万円)。