被災地では融雪装置使えず…「積雪がこれ以上増えるようなら倒壊の危険性も」

喜入友浩キャスター
「金沢の観光名所・茶屋街です。また雪が強くなってきました。人気の観光地も、きょうは観光客がまばらです」

飲食店店員
「(Q.今年の雪は?)遅いです。クリスマスぐらいから大体は降り始めるが、それがあまり今年は無かった。ここに来てドカ雪」

雪景色の中で記念撮影を楽しむ人の姿もありましたが、観光客は…。

大阪からの観光客
「電車とか止まって、予定が狂っちゃった。移動が大変でした」

喜入友浩キャスター
「午後9時前の石川県内灘町です。雪がかなり強くなってきました。細かい雪ですが、風にあおられてかなりの量が降っています」

地震と豪雨で甚大な被害を受けた能登では、5日午後6時までの24時間で、多いところで平地で40センチ、山地で50センチの降雪が予想されています。

石川県輪島市では日中、大雪に備えてスーパーで食料品や日用品を買い込む人の姿が多く見られました。

輪島市民
「今晩からすごく雪が降ると言っているので、慌てて買いに来た」

住民が大雪への備えを進める一方で、いま頭を悩ませているのが「融雪装置」です。道路に埋め込まれたパイプから水をまいて雪を溶かす「融雪装置」。雪国での生活を支える上で欠かせないものなのですが…。

喜入友浩キャスター
「午後5時すぎの内灘町です。大きな雪の粒がかなりの量が舞っています。少しずつ地面にも降り積もり始めています。ただ、融雪装置は作動していません。降り積もる一方です」

深刻な液状化の被害を受けた石川県内灘町。地震で水をくみ上げる配管などが破損したため、現在も融雪装置がおよそ5キロにわたって使えなくなっているといいます。

町のいたるところに置かれた「使用不可」を伝える看板。

荒谷小枝子さん(83)
「(Q.本当ならこれがどうなる)ここから水が出る。だけど、いまは通らないから水が出ない」

そこで暮らす住民は、手作業で道路の雪をかき出します。

荒谷小枝子さん(83)
「これをとっておかないと、明日はカチンカチンで車が入らなくなる。80歳を超えているけど、やれることはやっておかないとね」

融雪装置が使えないのは、内灘町だけではありません。

同じように地震の影響で、奥能登の4つの市町では、およそ9割の区間で融雪装置が使えなくなっています。珠洲市などによれば、今シーズン中の復旧は難しいそうです。

内灘町民
「いつも融雪である程度、雪が溶けているが、今(融雪装置が)ない状況で走るのは初めてなので、慣れていない。積雪がこれ以上増えるようなら倒壊の危険性もあると思うので心配」