羽田さん:
「ここでも越水したところなんですよ、台風19号の時」

2019年の台風19号災害で千曲川が氾濫。

堤防沿いにあった畑はおよそ30センチの高さまで浸水しました。

羽田さん:
「農機具も全部使い物にならないし、畑もこれじゃなって感じでした」

栽培をあきらめかけたこともありましたが、父親から受け継いだ農地を守りたいとの思いから半年をかけて、よみがえらせました。

羽田さん:
「自分がやりたい、お客さんが喜ぶ顔が見たいし」

丹精込めて育てた野菜を多くの人に届けたい。

羽田さんは、一念発起、新たな取り組みも始めました。

なんと、ラーメン店をオープンさせたのです。

具材には、もちろん、自分で栽培した野菜を使います。

羽田さん:
「店を出したのも農業に携わる人であまりいない。そういう時にこの地域でいま何をしているのか、同時に発信できたら面白いかなっていうのもあって」

長野市にある「麺屋増豚(めんやぞうとん)」

ラーメン好きでもある羽田さんが、2021年にJR篠ノ井駅の近くに開業しました。

羽田さんが作るラーメンがこちら。


豚骨ベースのスープに太い麺、ニンニク。

そしてたっぷりの野菜が乗るいわゆる「二郎系ラーメン」です。

栽培したキャベツもふんだんに使った野菜の量は普通盛りでも300グラム以上!

さらに100円追加で野菜の量が3倍に。

自慢の野菜を存分に味わってほしい。

羽田さんの思いの現れです。

また、付け合わせには、こちらも羽田さんが作ったネギがおすすめだといいます。

羽田さん:
「一番はお客さんが食べてダイレクトにおいしいって言われるのが一番うれしい」

ラーメン作りは、YouTubeの動画を参考にして独学で習得しました。

羽田さん:
「自分がやりたいことをただやっているだけなので」


羽田さんが作る一杯には農家の強みが生かされています。

羽田さん:
「いま冬の野菜だと、こういう固いところもゆでると甘くなるので、皆さんこういうところ残される方が多いんですけど、そうされないように細かく切って食べてもらう」