私立高校も無償化で公立離れ加速?

小川キャスター:
斎藤さんが住んでいらっしゃるドイツではどのようになっているのですか?

斎藤幸平さん:
ドイツは基本的に全て無償ですが、私立がほとんどありません。日本の今の流れを見ていると、私立も補助してもらえるとなったら、校舎が綺麗でお得感もあるので結局みんな私立を選んでしまう。その結果、例えば大阪の府立高校のように過半数が定員割れになったり、廃校になる学校が増える、というような流れになっている。本来であれば、公立にお金を使い質を高めたり、公立の中で多様性を増やしていく方がドイツ的かなとは思います。

藤森キャスター:
今年度から高校授業料無償化が始まった東京都では、既に数字に変化が現れています。

都立の高校を第一志望に考えている生徒が、24年度の約72%から25年度には約67%と僅か1年で5%も減少しています。都の担当者は「無償化が判断材料になった可能性は十分にある」と話しています。

小川キャスター:
公立離れ、私立の競争激化に繋がっていくということですね。

斎藤幸平さん:
例えば東大では、授業料を10万円上げています。特に国公立の大学などでも、無償化を進めてほしいなと強く思います。

小川キャスター:
最も支援が必要な世帯に対しての手当が疎かにならないように進めてほしいと思います。