「大人が子供たちに手本を見せてほしい」
渡邊さんは、講演で大人たちに訴えたいことがあるといいます。
(渡邉明弘さん)
「愛媛県では、子供たちが先にヘルメットを被り、大人に手本を見せることになりました。それは本来の正しい姿ではないと私は思います。正しいのは大人が子供たちに手本を見せるという姿勢です」
「このように子供にヘルメットを被らせるけど、自分は被らないというのを、松山でもよく考えます。大切なのは、大人がヘルメットを被る姿を子どもに見せることです」

「それを見た人の心のブロックが外れ、一人また1人とヘルメットを被る人が増えていきます。その連鎖が将来、皆さんの大切な人の命を守ることに繋がっていきます」
「愛媛県では、大地の事故の後、高校生のヘルメット着用と多くのドライバーの意識向上により、多くの子供たちの命が守られてきました。しかし、残念なことにヘルメットを着用して横断歩道を渡っていたのにトラックに巻き込まれ、女子生徒2人が亡くなっています」
「ヘルメット着用率全国一位と周りから賞賛されても、今でも重大な事故が起こり続けています。いま、考え直して行動しなければいけないのは、私たち大人です。皆さんの大切な家族の命、子供たちの命、そして自分の命を守るため、私たち大人が正しい手本を見せることが大切です。その行動と本気度を子供たちはいつも見ています」
「そして、私たちの行動を見た子供たちがよりよい未来を作っていきます。もしご家族の方も今日の話を聞いてみたかったと言われたら、私が書いた本、『大地の花束』を紹介してください。事故のあと、私の目に映った光景、私が感じた心の痛みを隠さず書きました。私達と同じ経験をしないために、できることはたくさんあるということを感じてもらいたいと思っています」
「そしてもう一つ、現在、大阪府警交通部の公式YouTubeで私がお話した動画と、岡山県の秋田明美さんの動画も公開されています。こちらも多くの人に見ていただきたいと思いますので、ご紹介をよろしくお願いいたします」
「今日は実は秋田さんもお話を聞きに来られています。もしかしたら秋田さんも岡山の例でいろいろなところで講演をしていますので、皆さんもいつかお話を聞くことがあるかもしれません」
「大地と一緒に、皆さんの安全と幸せを願っています」