背後にロシア?1回目の選挙結果が無効に

1回目の投票から10日後、事態は一変した。ルーマニア情報機関の機密文書が突然公開されたのだ。

機密文書を確認すると、合計800万人のフォロワーを持つインフルエンサー100人以上が資金提供を受けて活動し、TikTokなどのSNS上でジョルジェスク氏の宣伝を行ったという。報酬としておよそ5700万円が支払われたとされる。

さらに、休眠状態だった2万件以上のアカウントが選挙前になって急に活発化し、ジョルジェスク氏を支持していたとも指摘している。

ルーマニア情報庁は、ジョルジェスク氏のSNSを駆使した選挙戦は「国家主体によって行われていた」とロシアの関与を示唆している。

ルーマニアの情報機関が公開した機密文書

地元メディアなどによると、ジョルジェスク氏は一連の問題について関与を否定しているというが、ルーマニアの憲法裁判所は「デジタル技術の不透明な利用により有権者の投票が誘導され、候補者同士の平等な競争が歪められた」として、選挙結果を無効にするという異例の判断を下した。大統領選挙は、候補者選定のプロセスからやり直されることになった。