今年9月開催の東京2025世界陸上選考レース女子第1弾、大阪国際女子マラソンが1月26日、大阪市長居競技場を発着点とする42.195kmで行われた。ウォルケネシュ・エデサ(32、エチオピア)が2時間21分00秒で2連勝。日本人トップは大学時代はサークルで活動していた小林香菜(23、大塚製薬)で、残り800mでパリ五輪6位入賞の鈴木優花(25、第一生命グループ)を逆転する劇的な展開だった。小林2時間21分19秒、鈴木2時間21分33秒と二人が東京世界陸上参加標準記録を突破。実業団ルーキーの小林が代表に名乗りを挙げた。
残り800mでパリ五輪入賞選手を抜き去るサプライズ
ハイペースで進んだレースは、22&23年世界陸上代表だった松田瑞生(29、ダイハツ)が12kmで、小林と24年に現役復帰した伊澤菜々花(33、スターツ)も25km手前で、そして鈴木も27kmで先頭集団から後れる展開になった。
前回優勝のウォルケネシュ・エデサ(32、エチオピア)が、ペースメーカーが外れた30kmから独走。それを鈴木が追う展開のまま終わると思われたが、終盤にドラマが待っていた。30kmまでの5kmを17分03秒にペースを落としていた小林が、テレビ画面でも徐々に大きくなっていた。35kmまでの5kmを16分51秒とペースアップし、鈴木との差を詰め始めた。
「ハーフ(中間点)くらいで離れたとき、正直、苦手の上りでしたし気持ちでは負けていましたが、それでも後半粘ることができました。日本人1位までは目標にしていませんでしたが、前には鈴木さんと伊澤さんしかいませんでした。大阪で上位に入るチャンスです。自分の走りでどこまで行けるのか、と思って走っていました」
そして40kmまでの5kmで、鈴木との差を18秒も縮めていた。距離にすると約100mも追い上げたことになる。
そして逆転劇は、長居公園の取り付け道路に入って間もなくだった。残り800mで鈴木に追いつくと、そのまま抜き去った。
「自分のペースで前を追っていたら、鈴木さんの背中が大きくなってきて、ラスト1kmで沿道から“行ける”と言われてラストスパートしました。思いもよらぬ結果になりました」
1年前の今大会は早大のランニングサークル、「早稲田ホノルルマラソン完走会」所属で出場していた。競技を突きつめるのでなく、市民ランナー的なポジションで走っていた。
本来なら4年時12月のホノルル・マラソンに出場するはずだったが、今大会のネクストヒロイン枠での出場が決まったため、ホノルルを回避してトレーニングを行っていた。そのレースで2時間29分44秒の学生歴代4位で走り、1年後の今回日本歴代10位に大躍進をしてみせた。
  
















