県内41市町村の様々な魅力を紹介する「わがまちLink41」。今回は、那覇市壺屋にある、一風変わったお店をご紹介する。貴重な蓄音機とレコードが大量に保管されている店舗だが、レコード店ではない。一体何の店なのか、コレクターの店主に話を聞くと、大量のコレクションを可能にした珍しい“本業”を持つ店主の素顔が見えた。
“やちむん(陶器)”の街、那覇市壺屋の建物。その一室には、その昔レコードなどを再生していた「蓄音機」が約100基も鎮座している。すべて、ある人物のコレクションだ。
蓄音機の持ち主は、壺屋で店を構えて51年目を迎える、山城政幸さん。とても珍しい蓄音機も所有している。

▼山城政幸さん
「ゼンマイを巻くと、これが回るんですよ。回ると(音が)増幅していくんです。声として、音として出るわけですね。電気も何も使っていない」
19世紀後半にエジソンが発明した蝋管式(ろうかんしき)蓄音機。筒の形をしたレコード1本につき2分30秒の録音ができ、当時は画期的なものだった。
「エジソンは音楽じゃなくて情報伝達というか、議会議事録を録音する(ために作った)」
蓄音機のほとんどは、欧米など、海外で山城さんが探したもの。沖縄へ持ち帰る際、少しでも輸送費を安くしようとして、蓄音機のラッパ部分を帽子のようにかぶって飛行機に乗ったこともあったという。当時は認められたそうだ。

そんなユニークな山城さんのコレクションは蓄音機だけではない。ずらりと並んだケースに3万枚のレコードも所有。洋楽から琉球民謡まで、ジャンルは多岐にわたる。噂を聞きつけて、レコードを聴かせてほしいと訪ねてくる人がいるほどだ。