今年ももう12月。自宅の大掃除を、と考えている方も多いと思いますが、「もの」とあわせて大事な「音声や映像」も適切な管理が必要です。

今年は、家庭で眠るVHSやカセットテープがあと数年で再生できなくなる「磁気テープの2025年問題」が注目されています。

デジタル化の現場と、貴重な資料を抱える自治体の対応を取材しました。

(カセット音源)
「♪いぬの~おまわりさん、こまってしまってわんわんわわーん」

かわいらしい歌声は、45年前、当時2歳の島袋久美子さんです。失われかけていた音が、デジタル化によって、よみがえりました。

母・とみ子さん
「夢のようですね。まさか、聞けるとは思わなかった。もうテープもダメになっていると思った。長いことなるので」

さらに、再生の途中で思いがけない「再会」もありました。

(カセット音源)
父「きょうどこいった?」「あのさ…」

7年前に亡くなった父・晃盛さんの声です。

島袋久美子さん
「亡くなってから、声聞くこともないので」「これはね、自分の宝物というか、残したいなと思って」

何気なく録音された1本のカセット。こうした家族の記憶が今、大きな危機にさらされています。