住環境は劣悪…約1500人が暮らす“仮の街”

 大本さんがかつて暮らした仮設住宅は神戸市西区に広がっていました。西神第7仮設住宅、通称「第7仮設」は、西神ニュータウンの外れにありました。戸数は1060戸で、小さな自治体並みの規模です。

 抽選で振り分けられて入居した見ず知らずの人たち約1500人が暮らす“仮の街”。その場しのぎで作られたため、住環境は劣悪でした。当時、たまりかねた住民が自治会を作ろうと、仮設に作られたテントに集まり、話し合う様子がみられました。呼びかけたのは当時65歳の大本さんです。
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 (住民※1995年)「仮設というのは元に戻るための一時期や。だから一番大事なことは、元に戻るのに、どういう条件でどういうふうにしたらいいかっていうのが一番大事」

 (大本功さん※1995年)「少なくともお年寄りの方、あるいは杖をつかれた方がまっすぐに道が歩けるように、つまずいて転ばないように、それぐらいは行政に要求しようやないかというのがまず第一歩」
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 夏になると、第7仮設は40℃を超す暑さで、砂漠のように干上がりました。穴ぼこだらけの道を歩いていた目の不自由な夫婦は…

 (目の不自由な夫)「あんまり外に出るの嫌やねん、(仮設住宅に帰る道に)迷うから。1回迷ったらこんなことになるねん。道がこんなんでわかりにくいから…」
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 目の不自由なこの夫婦にとって仮設での生活は苦難の連続です。また、街灯はなく、日が落ちると同時に深い闇に包まれます。