母は行方不明になり帰らぬ人に かけた言葉に抱いた後悔

1995年5月 山下さんらは芙美子さんを和歌山旅行に連れて行った

山下さんは、何とか気晴らしになればと、親族と一緒に芙美子さんを連れ出したこともあったという。

しかし発災からちょうど5か月後の6月17日、大阪の親族宅から、芙美子さんが行方不明になったとの知らせが入った。

芙美子さんは翌日、変わり果てた姿で、神戸で見つかった。大阪から神戸に移動し、自死したとみられている。

“母の喪失感や悲しみに寄り添いきれたのか…” 山下さんは後悔の念にさいなまれた。