「6434人が犠牲となった」「6434人が亡くなった」阪神・淡路大震災を語る際に、繰り返し語られる言葉である。しかし、あの震災によって“人生を奪われた”人たちは、6434人で本当に済むのだろうか。震災の犠牲者の名前を刻む、神戸・三宮の「慰霊と復興のモニュメント」。この場所には、いわゆる「遠因死」とされる人々の名前も刻まれている。直接死や災害関連死とは認められていないものの、遺族が“震災の影響を受けて亡くなった”と考える人々の名前だ。

神戸・三宮の「慰霊と復興のモニュメント」には、遠因死の人の名前を掲げられるスペースがある

その 1人、夫を失い、深い悲しみに暮れた女性は、立ち直ることができず、発災から 5カ月後に遺体で見つかった。息子が、後悔の念と銘板に込めた思いを語った。