
「新大隅開発計画」について、現地調査をしたこともある鹿児島大学の平井一臣名誉教授です。近年は、「住民が声を上げることが難しくなっている」と指摘します。
(鹿児島大学 平井一臣名誉教授)「60年代、70年代は、日本の社会がきょうよりはあすがもっと良くなるという思考があった。いまは特に地方で『消滅』とまで言われて、あきらめというもので、なかなか国策に対して物申すみたいなことに、つながっていないと思う」

あの反対運動から50年あまり…。県内では国のエネルギー政策を担う原発が2基稼働しているほか、かつて石油備蓄基地の整備が検討された馬毛島では、国の安全保障に関わる自衛隊基地の整備が進められています。
地方が「国策」とどう折り合いをつけるのか。平井名誉教授は、「依存しない姿勢が重要だ」と話します。
(鹿児島大学 平井一臣名誉教授)「国策というのは未来永劫続くものではないということ。それだけに依存するような地域のあり方は極めてリスクが高い。それ以外のセーフティーネットを持っておかないと、いつどのような環境で、国策がコロッと変わるか。そういうものが国策であるという、少し冷めた認識を持つ必要があると思う」