倒産件数の増加 専門家「新陳代謝が活発になり経済に対してプラス効果も」

南波キャスター:
経済評論家の加谷さんは、「企業の倒産が増えると、新陳代謝が活発になり経済に対してプラス効果もあるのでは」としています。

【“バブル景気”前の倒産件数】※東京商工リサーチ調べ
1983年 1万9155件(歴代3位)
1984年 2万841件(歴代1位)
1985年 1万8812件(歴代6位)

ホランキャスター:
強い企業が残るから、経済も強くなるということでしょうか。

経済評論家 加谷さん:
半分はそういうことです。あとは、変わっていく時代に対応できた企業が残り、対応できなかった企業が残念ながら倒産する…という企業の入れ替わりを促進する面もあります。

もちろん倒産は大変なことですが、実は、景気が良くなるときの方が倒産件数は増えてくるという傾向が強いです。

なので、倒産件数が増えているということは、これからの経済に対する期待感があることの裏返しかもしれないという見方もできなくはないです。

井上キャスター:
“バブル景気”のときは高度経済成長のときでしたが、今は「成長しきった」とも言われています。金利も上がっていき、高齢化、後継者不足などほかの課題もあるように思います。

経済評論家 加谷さん:
“バブル”当時とは違い経済環境はかなり厳しいですが、コロナも終わり物価高も進み、私たちの消費行動がどう変化するのかが見え始めた時期ともいえます。

先を見据えて新しい業態に転換できた企業は適応できるという、過渡期に差し掛かっているのではないでしょうか。

ホランキャスター:
ただ、倒産の数字の向こう側には人々の生活があるので、そのあたりも心配です。

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<プロフィール>
加谷珪一さん
経済評論家 元日経BP記者
著書に「貧乏国ニッポン」
中央省庁などへのコンサルティング業務も

松田丈志さん
元競泳日本代表
五輪4大会出場 4個のメダル獲得
JOC理事 宮崎県出身 3児の父