今年の春のセンバツ高校野球で「21世紀枠」の最終候補となっている長崎県立壱岐高校。限られた練習環境や遠征の負担。ハンデを乗り越え挑む島民の夢「壱岐から甲子園」へ!全力で挑む選手たちと、島の熱気を取材しました。

離島からの挑戦

【壱岐】九州北東の玄界灘に浮かぶ玄界灘に浮かぶ、人口約2万4千人の小さな島。南北約17km、東西約15km。博多港から高速船で約70分。

壱岐高校野球部 坂本徹監督(選手たちに):
「1月24日の(21世紀枠)発表に向けてやるべきことは変わらないんだけど、質と量を上げていかないといけないと思っているのでその覚悟を持ってまた新年頑張っていきましょう!よし!」

人口2万4千人の島・壱岐。この島にある壱岐高校の野球部は、部員21人全員が島で育ちました。島内4校の中学軟式野球部出身です。

試合会場に行くために、お金も時間も体力もかかる「離島の高校」という大きなハンデを乗り越え、壱岐高校は秋の県大会で初の準優勝を成し遂げました。そして創部49年目で初めて挑んだ九州大会では、熊本の強豪校を破りベスト8に入りました。

壱岐高校野球部 坂本徹監督:
「チーム全員でがむしゃらにひとつのアウトを取りに行きますし、1点をもぎ取ろうという意識、そういった思いが強くなった。野球に対する姿勢、これまでの年代よりも‟勝ちたい”という欲に飢えている」

階段ダッシュで鍛える心技体

野球部専用のグラウンドも、屋内練習場もない壱岐高校。選手たちは学校の近くにある山、岳の辻の登山道にある『全長300メートル』の階段ダッシュで、全国の強豪校に挑む体力とメンタルを鍛え上げてきました。

2年生 小西桜ノ介選手:
「いくぞ!みたいな。気持ち上げて走らないと持たないので気持ちでいってます」

エースでキャプテンの浦上投手は壱岐市立郷ノ浦中学校出身です。2年生の時、九州大会で優勝を経験しています。壱岐から甲子園出場の夢を果たすため、地元に残ることを選びました。

2年・キャプテン 浦上脩吾選手:
「小中と一緒にやってきてる仲でもありますし、壱岐市内で対戦相手となってきた仲であるので、団結力がほかのチームよりあるのは感じています」

九州大会で2打点の活躍を見せた久田選手も、浦上投手と同じ郷ノ浦中学校出身です。

2年 久田魁選手:
「強いチームに打ち勝ったりできているので、成長できているなと思いました」