SDGs達成度ランキング1位のフィンランドの2050年は

気候変動の脅威を感じているのは海洋国家だけではない。SDGs達成度世界ランキング「Sustainable development Report」で2021年から3年連続で1位を獲得している北欧の国フィンランドも、北部での降雪量の減少や、北極海の急速な温暖化によって氷床が溶けるなどの変化に直面している。

フィンランドの取り組みは、この連載で2回(第2回・第3回)にわたって取材した。その後も気候変動対策について、意欲的な目標を表明している。

温室効果ガスの排出量を全体としてゼロにするカーボンニュートラルについては、日本が2050年の達成を目指しているのに対し、フィンランドでは2035年までに達成する方針だ。2050年までには温室効果ガスの排出量を1990年に比べて少なくとも90%、できれば95%を削減することを目指す。

また、2035年までに循環経済に移行し、廃棄物を削減するとともにリサイクル率を上げていく。消費者は再利用できるように設計された製品を活用し、地域で生産された気候に強い作物を適正な価格に入手できるようになる。フィンランド政府は2050年までに最先端のグリーンテクノロジーと持続可能な生活習慣を融合して、気候変動問題に直面しても回復力があり、繁栄をもたらす生活モデルの確立を目指している。