「しぶんぎ座」って?300年前のフランスの星図でみてみると?

ーしぶんぎ座の「しぶんぎ」とは何でしょうか。

(米田瑞生さん)
「しぶんぎ座の正式名称は壁面四分儀座(壁面四分儀:天体の位置計測の器具)ですが、この星座は現在は使われていません。国際天文学連合が、正式な星座として、この星座を認定しなかったためです。しかし、流星群の名前として現在もしぶんぎ座は定着しています」

「約300年前のフランスの星図をみてみましょう。Alain Mallet (アラン・マレ1630–1706、フランスの地図制作者、技術者、軍人)が1683年に出版した Description de L'Univers (世界誌)に基づき、1715年くらいに出版されました」

「ドイツ語圏ですが、ラテン語が散見されます。このページのタイトルは、『北の星座の早見表』ということです」

「この時代には、よくあることのようですが、何も考えずに図に基づき版を作ったようで、星座の形が左右で反転しています」

「中央左下の、おおぐま座(北斗七星・ La Grande Ourse),
その右の、牛飼いには見えないうしかい座(Bootes),
その右上のヘラクレス座(Hercule)に囲まれるようにしぶんぎ座の領域がありますが、それらしきものはありません」

「この時代にも『しぶんぎ座』はなく、その後の短い期間しか使われなかった星座のようです」

【画像③】300年前のフランスの星図(北)

ちなみに、南の星座はこちらです。【画像④】

【画像④】300年前のフランスの星図(南)

しぶんぎ座流星群は、ふたご座流星群、ペルセウス座流星群と並ぶ3大流星群の一つです。来年はどんな活動をみせてくれるでしょうか。