Jr.も“噂”を気に掛ける余裕はない「集団でいながらも、孤立している状況」

元ジャニーズJr.
「かなり重度な(被害)内容です。嫌なことだけど、例えばステージのバックで踊るとか、テレビの撮影をするとか、なかなか普段体験できることじゃない。数分我慢すれば、という感覚」

噂が広がることを恐れてか、ジャニー氏は直接声をかけた少年しか合宿所に入れなかったと言います。

元ジャニーズJr.
「『合宿所の中のことをペラペラしゃべるな』と、厳しく言われていた。例えばレッスンでも、合宿所に行ったことがあるという人と話をしていたら、休憩のときに僕のところに来て『何話した?』って。知らなくて当然なんですよ、隠してたから、ジャニー氏が」

彼は在籍確認にも協力していますが、実態を知るだけに、疑わしい被害申告があることに気づきました。

元ジャニーズJr.
「レッスン場が全然変な場所が書いてあるとか、初めてそこで虚偽申告みたいなものを知って、『これ、まずいぞ』と。お金欲しさに申告する。被害者からしてみたら、一番許せない」

16年半にわたりJr.として活動していた、野田優也さん(40)。当時、仲間たちと性加害の噂を話題にすることは、ほとんどなかったそうです。

元ジャニーズJr. 野田優也さん
「それが本当か嘘かもわからない部分があって、言い方悪いですけれど、みんなライバルだったので、そうして(ジャニー氏に)近づかせないじゃないけど、けん制なのかなと思う部分もあった。全員が被害に遭ったのかと言われたら、そうじゃない話なので」

元Jr.で、今はバーを経営する伴貴将さん(40)。在籍中はドラマにも出演。もはやJr.はバックダンサーにとどまらず、単独コンサートさえ開かれる程の人気でした。

噂を気にかける余裕など、なかったと言います。

元ジャニーズJr. 伴貴将さん
「忙しいというか、ほぼ記憶がなくなるぐらいのスケジュール。仲の良いJr.がどういう活動をしているのかも、正直わからない。僕らは集団でいながらも、孤立しているような状況」

当時、何も出来なかった自分に責任を感じ、野田さんとともに在籍確認に協力しています。

その過程で声を上げられず、心に傷を抱えた仲間もいることを知りました。

元ジャニーズJr.伴さん
「声を上げられていない方、いろんな方々の思いに関しては、ひとえにまとめきれない部分があると思う」
「『いくらもらうんだ』『どうだったんだ』とか、普通に投げかけてくる人もいる。一緒に頑張ってきた子たちも同様の状況にさらされているのかと思うと、そこはすぐに何とかしないとなと」

「在籍が確認できない」と言われた、元ジャニーズJr.の倉田順一さん。元Jr.たちの協力で在籍を裏付ける資料が見つかり、補償を受けることが出来ました。

SMILE-UP. 東山紀之 社長
「この方なんじゃないかと。なかなか僕らとしても判断が難しいけど、面影があると言われればあるので」

倉田さんの許可を得て見せてもらった資料映像に映る、一番後ろの列で踊る若者。不鮮明ながら、協力者や本人の指摘で倉田さんと判断されたのです。

SMILE-UP. 東山 社長
「とにかく皆さんに探してもらって。知識を借りたり、見てきたものを教えてもらったり、非常に助かっています」

その後、倉田さんは東山氏と面会し、謝罪を受けました。

元ジャニーズJr. 倉田さん
「けど、まだ(補償対象外の人が)他にもいらっしゃるじゃないですか。これま
で僕にしてくれた対応をお願いしたい。同じような感じで、つっぱねるのではなく」

けれど、補償で全てが終わるわけではないのです。