ジャニー喜多川氏による性加害問題。1000人以上にものぼる補償申告がある一方で、補償の可否の判断をめぐる過程は“ブラックボックス”などと批判されています。その実態はどうなっているのか?株式会社SMILE-UP.の社長・東山紀之氏が補償の裏側を明かしました。
ジャニー氏による性加害問題 「重要で、重大で、根が深いもの」
膳場貴子キャスター
「改めてこの1年間、性加害問題と向き合ってきて、どういうことが浮かび上がってきましたか」

SMILE-UP. 東山紀之 社長
「探りながらやっているというのが正直なところです」
「補償させてもらった方が500人を超えるということなので、その人数だけ考えると大変重要で、重大で、根が深いものだなと」
ジャニー喜多川氏の恐るべき裏の顔が暴かれたのは、2023年3月。イギリスの公共放送「BBC」が報じた、半世紀もの間繰り返されてきたジャニー氏による性加害。
ジャニーズ事務所は「SMILE-UP.」と社名を改め、「法を超えた補償」を行うことになりました。

ジャニーズJr.の一員だった倉田順一(56)さんも、補償を求めました。
かつてJr.たちが寝泊まりした合宿所は、ジャニー氏の自宅。倉田さんは13歳でした。その現場では…
元ジャニーズJr. 倉田順一さん
「なんか…思い出しちゃいますね。やっぱり臭いを覚えているんですね。このマンションの中の臭い」

36年前、他の被害者と共に告発しましたが、新聞やテレビは報じませんでした。
元ジャニーズJr. 倉田さん
「取材は受けるが載らない。『何でだ』って。何でこんなにやっているのに、(告発を)何で見てくれないんだって」
性被害のトラウマは依存症となって現れました。
元ジャニーズJr. 倉田さん
「市販薬で強い薬を飲んで、作られている世界に逃げてしまう」
──お仕事は?
「できないですよ」

しかし、被害を申告した倉田さんに返ってきたのは、「在籍を確認できない」という答え。
元ジャニーズJr. 倉田さん
「いやいやいや、(在籍は)絶対あると陳情書を送った」
他の被害者からも批判の声が上がっています。

元「忍者」 志賀泰伸さん(2024年10月)
「補償基準が不透明で、ブラックボックス化されていませんか」
2024年12月19日には、元Jr.の飯田恭平さんと田中純弥さんの2人が460億円あまりの賠償を求めて、アメリカの裁判所に提訴したことがわかりました。
被害者の認定はどのように行われているのか。1年近い交渉を経て、その取材が実現しました。
“ブラックボックス”と批判された補償の舞台裏です。